ブラックタイガー 海老の中でも日本人が多く食べている海老
国内旅行で海鮮料理が出てくると、やはり海老が楽しみですよね。
海老の中でも日本人が多く食べている海老「ブラックタイガー」について説明します。ブラックタイガーとは日本名では「牛海老(うしえび)」とされていますが、実際には日本名を聞くことの方が圧倒的に少なく、ブラックタイガーという名前のほうが有名です。
このブラックタイガーはクルマエビ同様、「十脚目長尾亜目クルマエビ科」と呼ばれる海老の一種です。名前の通り、黒に黄色、赤、白などの縞模様があります。 養殖物はほとんど全体が黒いため、名前の通りですが、天然物の大型は濃い赤色をしており、この類は「シータイガー」と呼ばれ大変貴重で珍しいエビです。
ブラックタイガーは一般的に東南アジアやインド、西太平洋、日本では沖縄、九州、四国などの暖流の内湾などに生息しています。
食用としてのブラックタイガーは、主に東南アジアで養殖されて、輸入されていることが多くなっています。前述の通り、ブラックタイガーは日本でも生息していますが、国産のブラックタイガーの流通はほぼありません。
最近では品質の良い状態で輸入できるようになっているため、コスト面などの問題から大半が輸入物となっています。現在では、海老フライなどの冷凍食品はブラックタイガーを使用しており、その数は全体の7割にも及びます。
ブラックタイガーは、なぜ茹でると赤くなるのか
ブラックタイガーは多少の歯ごたえのある肉質が人気で、子供から大人まで幅広い世代で人気食材となっています。
ちなみにブラックタイガーは、なぜ茹でると赤くなるのかご存知ですか。
黒い海老のままであれば、ここまで人気は出なかったのかも知れませんが、茹でるととても美味しそうな色に変色していきます。これは、エビの色素はカロチノイド系色素のアスタキサンチンというものが主体で、複数のカロチノイドが含まれているのですが、このカロチノイドの結晶が深紅色なのです。
生きているエビの色は、このアスタキサンチンとグロブリン蛋白というものが結合し、クルスタシアニンというものになります。クルスタシアニンが緑や紫などの色となり、ブラックタイガーは黒い色となっているのです。
これを加熱する事により、グロブリン蛋白が熱変性して、アスタキサンチンとの結合が切断されて分離します。それでカロチノイドの持つ本来の赤色に戻るというわけです。
ただ理屈は抜きにして食べる我々からしてみれば「加熱すると美味しそうな色になってくれる」と捉えても良いのではないかと思います。最近ではコレステロールを気にして避ける方もいるようですが、エビはタウリンやキチンといった、栄養がバランス良く含まれ、コレステロールを分解する効果も期待できますので、分量や調理法を工夫して食べていきたい食材です。